第2号 日本聖公会九州教区宣教局総務部発行   2002年8月15日


フィリピンの仲間と共に主の恵みを受け、

主を賛美しましょう!

                 主教 五十嵐正司

9月にフィリピン聖公会の信徒・聖職の3名が九州教区を訪問されます。同じ伝統をもって信仰を分かち合う聖公会の仲間の訪問を嬉しく思っています。  

フィリピン中央教区との関わりは2年前の教区会から始まります。
2000年開催された教区会では「海外教会との協働活動を通して九州教区の各教会の活性化を図る」ことが決議されました。そして、2001年の教区会では協働関係を結ぶ海外教会をフィリピン中央教区と決議されました。決議に先立ち、九州教区宣教局の判断として、フィリピン中央教区が協働の相手として選ばれ、現地視察を外池圭二氏、柴本司祭がいたしました。
二人はいくつかの教会を訪ねました。外交官などが教会員である教会、これはフィリピン聖公会としては特異な存在です。又、ほとんどの教会員が中国系の人々である二つの教会。これら以外の多くの教会は貧しい、弱い立場に置かれているフィリピン人が教会員となっているところです。柴本司祭が訪ねた教会は数ヶ月前に、土地の所有者と称する元将軍が兵隊や警察官7、80人を用いて、教会を除いて、その地域一帯の家屋を打ち壊しした所でした。教会はそこの住民に食料や休むところを提供しましたが、次には教会まで壊されてしまいました。そこの土地から立ち退くと鉄条網で囲われてしまい、入れなくさせられてしまうとのことで、住人はそこに留まり続け、フィリピン中央教区は教区を上げて、衣食住の支えだけではなく、弁護士に願って法的な支えをしています。土地の所有権争いで勝訴できないと知った元将軍は暴力を使うことを今は控えているとのことです。
貧しい中で信仰に生きる人々を見て「十字架のにおい」がすると表現する人がいますが、フィリピン中央教区にはそれを感じます。しかし、そのような中で教会の人々は苦しみを分かち合い、担い合い、与え合って生活しており、そこには与え合う「神の愛のにおい」がするのです。
九州教区のわたしたちはフィリピン中央教区の人々との交わりを通して、キリストの十字架、愛、希望にさらに深く触れることができるのではないか。また九州において人数的には少数者であるわたしたちがキリストを信じ、命と希望を持って生きる姿、長崎の原爆という人類の負の遺産を覚え続け、人類の平和を願い求め、祈る姿はフィリピンの人々の希望と力にもなるのではないか。以上のように思い、両教区の協働関係を通じて、キリストの豊かな愛、希望を与えられ、主の恵みに感謝し、共に主を賛美したいと願うのです。

九州教区の紋章

これが現在の九州教区(五十嵐主教)の紋章です。「奉仕する人を推薦してください」という教育部のパンフレットの裏にも載っています。「日本聖公会九州教区主教之印1894」という字が見えるでしょう。初代エビントン主教就任が1894年。主教制を象徴するマイター(主教の帽子)と、XPを重ねたキリスト(ギリシャ語のキリストを表わす最初の2文字)の旗の下に、御言葉(聖書)とサクラメント(パンと杯)が、存在していることを表わしています。


フィリピンからのゲスト


9月12日〜26日、九州教区へ来られるゲストは、次の方々です。

☆Leon Cadsap司祭
1967年2月10日生まれ。
タガイタイ聖バルナバ教会牧師およびレメリ・バタンガスキリスト教会管理牧師。常置委員長。タガログ伝道区長。35歳。

☆Douglas Labuten司祭
1968年3月4日生まれ。
マリキナ聖信(Holy Faith)教会牧師。教役者会幹事長。マリラク伝道区長。

☆Eugento Bol-igen 信徒伝道師
ヌエバ・エチジャ、パラレのウェールズの聖ダビデ教会に所属。
現在パスポート申請手続中。

しかし、9月12日までにパスポートが取得できない時、

☆Lyman Alipit 氏 がかわりに来日予定。
タグイの就学前の聖霊幼児成長センター教師。

ゲストの日程

9月12日(木)福岡空港到着、15:10    泊 福岡
  13日(金)宗像。福岡 夕・主教館   泊 福岡
  14日(土)移動日    泊 厳原、佐世保、長崎
  15日(日)対馬、佐世保、長崎    泊 鹿児島
  16日(月)鹿児島集会          泊 鹿児島
  17日(火)宮崎、延岡           泊 延岡
  18日(水)延岡、大分           泊 別府
  19日(木)別府観光 休息       泊 北九州
  20日(金)北九州各教会訪問     泊 北九州
  21日(土)北九州集会 泊 福岡、久留米、大牟田
  22日(日)福岡、久留米、大牟田、   泊 熊本
  23日(月)信徒研修会・熊本       泊 阿蘇
  24日(火)休息 菊池、リデル      泊 阿蘇
  25日(水)福岡で買い物、反省会    泊 福岡
  26日(木)福岡空港から出発 16:10

以上は、未だ細かいところまでは決まっていませんが、15日と22日の日曜日には、3人の方に分かれて、教会で説教あるいは奨励をお願いするよう考えています。

お願いしたいこと

@ 食事の費用負担と宿泊の予約。
教会によって、昼間立ち寄る場合や夜その町に宿泊する場合など様々です。宿泊費、交通費は教区が負担します。
しかし、実際のホテル等の予約は、現地の教会でお願いします。尚、食事などは各教会でご負担くださいますよう、お願いします。

A 案内役ボランティア。
今回のゲストには、教区の全教会を回ってもらおうと考え、上記のような日程を考えました。隣接の教会から次の教会までのゲストの案内役を務めていただく案内役ボランティアをお願いします。

B 各教会や町を紹介するもの
各教会を3人のゲストに回ってもらうのですが、わずかな時間で、沢山の場所を見ることになるし、彼らがフィリピンへ帰国後、報告したり、今後の展開を考える上で、材料になるよう、各教会や町を紹介した写真・地図など、英語の簡単な説明をつけてご用意いただけたら幸いです。

フィリピン中央教区との協働関係の祈り

慈しみ深い主よ、あなたは天地創造によってあなたの力、あなたの支配、あなたの正義を現わし、御子イエス・キリストによって深い愛を現してくださいます。主を賛美するために選ばれたわたしたちは声を一つに合わせ、あなたに感謝・賛美の祈りをささげ、多くの人々に御恵みを分かち合う働きができるようにお導きください。特に、共に祈り、励まし、キリストの働きを担う器として与えられたフィリピン中央教区との協働関係を祝し、用いて、あなたのみ栄えを現わすことができますように、主イエス・キリストによってお願いいたします。 アーメン

フィリピン協働委員会発足

今後、フィリピン中央教区との関わりを持つための九州教区としての担当委員会をこのほど発足させることになりました。委員は、濱生正直司祭、小林史明司祭、柴本孝夫司祭、外池圭二兄、藤井東秀兄、江崎芳子姉。8月15日に第1回目の委員会を開く予定です。

編集後記

今回は、五十嵐主教に文書を書いていただきました。また、9月にゲストを迎えるための、準備のお願いを中心とした内容になりました。

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